成都「第112回全国糖酒商品交易会(糖酒会)」開催、日本産酒類事業者59社が出展

 
 

来場者でにぎわうジャパンパビリオン(ジェトロ撮影)

Source : jetro.go.jp

農林水産食品部事業推進課 2025年04月21日

 

中国西南部最大の食品・酒類展示会である「第112回全国糖酒商品交易会(糖酒会)」が3月25~27日の3日間、四川省成都市の中国西部国際博覧城で開催された。50万人以上が来場し、50カ国・地域から約6,600社が出展した。ジェトロは日本産食品サンプルショールーム(SSR)事業(注1)の一環として、同展示会の国際酒類パビリオンブースにジャパンパビリオンを設置し、過去最多となる59社の日本産酒類事業者の出展を支援した。会期中の3月26日には日本酒の説明会を実施、約130人収容の会場が満席となる盛況ぶりだった。

同展示会は、中国全土の酒類バイヤーが一堂に会する国内最大級の酒類見本市として知られる。山東省や内モンゴル自治区など、中国各地のバイヤーと商談を行う出展者が多く見受けられ、「沿岸部の大都市(上海市、北京市、広州市など)で行われる展示会よりも、中西部を含めさまざまな地域から訪れるバイヤーと一度に出会うことができ、効率的な商談ができた」と評価する出展者の声が複数寄せられた。

中国では、健康志向の高まりやライフスタイルの変化を背景として、若者を中心に低アルコール飲料の人気が高まっている、と指摘される。こうした若者をターゲットに、スタイリッシュなラベルのデザインや、甘めな味に仕上げた商品を取りそろえるなど、多くの出展者が現地の嗜好(しこう)を踏まえた商品提案を行った。また、中国では贈答品としての酒類の需要も高いことから、「化粧箱入りの商品や高級感のあるパッケージがバイヤーに好まれる」といった声が聞かれた。

日本産酒類の卸先としては、日本食レストランのほか、バーも重要な販路開拓先となってきている。

とりわけ同展示会の開催都市である成都市は、バー文化が盛んな都市として知られ(注2)、その店舗数も中国国内で有数とされる。中国のバーの中には、テーブル席やテラス席を設け日本のカフェのようなカジュアルな雰囲気を持つ店舗も多く、若者が多く集まる場所となっている。

本展示会では、日本産酒類に対してバイヤーから多くの関心が寄せられた一方で、特に焼酎などの日本産酒類については認知度の向上が課題となっている。まずは認知度向上に向け、現地のバーで商品PRを試みる出展者もみられた。

(注1)ジェトロが海外バイヤーに日本産食品の商品紹介や試飲・試食の機会を随時提供することを目的として、複数国・地域にショールームを設置する事業。なお、2025年度から事業名称が「日本産食品グローバル・ゲートウェイ事業」に変更となった。詳細はジェトロのウェブサイト参照。

(注2)中国の西部に位置する四川省の省都である成都は、日没が遅いことやゆったりとしたライフスタイルから、娯楽への投資時間が長い都市として知られる。そのため、酒バーを含めた成都におけるナイトエコノミー消費の拡大には注目が集まる(2019年8月23日記事参照)。

(三宅佑実、渡邉理々華)

 


 
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