五ツ星お米マイスターが厳選「ブランド米御三家より安くて味も保証できる銘柄米」雪若丸、新之助、いちほまれ、サキホコレ、風さやかなど
ソース/moneypost.jp
文/週刊ポスト
専門家が「安くて旨い日本米」を厳選(イメージ)
依然としてコメの高騰が続くが、実はその価格は産地や銘柄によって大きく差がある。今すぐに買える「安くて旨いコメ」を400種類以上のコメを実食し、全国でコメの品評会に立ち会ってきたコメのスペシャリスト、五ツ星お米マイスターの西島豊造氏が厳選した。
五ツ星お米マイスターの協議会で満票獲得
現在、日本が誇るブランド米の御三家は魚沼産コシヒカリ(新潟)、ゆめぴりか(北海道)、つや姫(山形)と言われる。
「これらは現在5キロ5000円を超えていますが、それより安くて味も保証できる銘柄米としてまず挙げたいのが、雪若丸(山形)、新之助(新潟)、いちほまれ(福井)、サキホコレ(秋田)。いずれも米価が落ち着いてきたら5キロ4000円ほどになるとみられます。
なかでもサキホコレは粒厚が1.9~2.0ミリと近年流行している大粒な品種。あまり噛まなくても甘みを感じられます。噛むと粘りは強いですが粒がしっかりとしているためべちゃっとしないので冷めても美味しく、おにぎりやお弁当に向いています」(西島氏。以下「」内は同じ)
コメの食味の特徴は、喉越しに関係する「粒感があって硬い」「柔らかい」。甘みに関係する「噛むと粘りがある」「あっさりしている」の2つの要素で大きく分けられる。硬いコメは寿司や肉料理、脂っこい料理に合い、柔らかいコメは和食や刺身などの魚料理に合うという。
「魚沼産コシヒカリとゆめぴりかは粘りが強くて粒が柔らかい。この2つのブランド米はおかず抜きの白米だけで食べてほしいほどの完成度ですが、お肉料理といった脂っこい料理と合わせると余計に脂っぽさを感じることがある。おかずに合わせるのであれば食味のバランスが絶妙な風さやか(長野)が優秀です」
風さやかは五ツ星お米マイスター等が10人集う協議会で、通常なら意見が割れるところ満票を獲得したという。
「粒は硬くも柔らかくもなく、あっさりしていながら甘みがある、珍しい特徴のコメです。シチューなどクリーム系の料理をはじめ、幅広い料理に合います。“長野生まれのあきたこまち”と呼ばれるコメで、生産量が少ないものの、ポテンシャルの高さから長野県が増産体制に入っている」
市場に豊富に出回れば販売価格は5キロ3700円程度になるだろうと西島氏は予想する。
炊き分けて食感を変える
5キロ3500円程度が見込まれるコメとしては、きぬむすめ(鳥取)が狙い目だという。
「業務用にも一般消費者用にも売られているコメで、クセがなくあっさりしています。あきたこまちやつや姫と同系統です。福、笑い(福島)もクセがなく、和食との相性が良い。お弁当にも向いています。九州のコメどころである佐賀県の夢しずくも3000円台が見込まれ、粘りが抑えめの食味が特徴です。佐賀牛と合わせると美味しくいただけます」
いずれのコメも今はネット通販で購入することができる。販売サイトによって値段が違うことも珍しくないので、複数サイトを比較することが重要だ。西島氏がこれらのコメをより旨く食べるためのコツを指南する。
「重要なのはコメの炊き方です。最近の炊飯器の性能は優秀なので、炊き分けモードだけで食感を変えることができる。硬めであっさりしたコメを『もちもちモード』で炊くと、甘みが出てもっちりしたコシヒカリっぽくなるし、粘りの強いコメを『しゃっきりモード』で炊くとあっさりした食感に落ち着きます。
備蓄米でも応用でき、新米よりも水の量を少し多くして1時間多く水に浸けるなどの工夫で格段に美味しく炊けます」
日本のコメはどれもポテンシャルが高い。これを機に、各地の隠れたブランド米に目を向けたい。
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※週刊ポスト2025年6月27日・7月4日号